竹林とフレームが織りなす和モダンな庭 その②
竹林とフレームが織りなす和モダンな庭 その②
宮城県岩沼市M様邸外構工事/和モダン/おしゃれな庭
前庭の日本庭園と向かい合う位置に登場した竹林。
元は取り壊された離れの建物が存在した場所。
大名竹、川砂利、伊勢ゴロタ石などと優しい輪郭の自然素材で構成された空間を引き締めるブラック。
竹林を囲うマットブラックのアルミ製フレームは方形に立体的に組み上げました。
周囲に敷き込んだ人工芝と川砂利の境には同じくマットブラックのターフキーパーを用い、立体的なフレームと共に主役である竹林のアウトラインを構成しています。
建物が存在した面影をフレームの骨子で再現し、内の虚になった空間にはボリュームを求め天然/人工素材の竹で埋め尽くした竹林が現れます。
フレームで切り取られた竹林は額縁効果によりそこに視線を集め、捉えどころの難しい広大な庭空間に抑揚とストーリーが生まれます。
竹林を持ち上げる築山は楕円形に人工芝を敷き詰めています。人工芝は下から上へと一定の方向で放射状に敷くことで芝目も整いました。
竹林を縦断するように敷かれたコンクリートの小径(こみち)は、林の中の遊歩道を再現しています。
生活の動線に含まれていない小径は、背景の塗壁で演出された非日常の中に存在するのです。
創作した竹林にボリューム感を与えすぎると過剰となり、既存の日本庭園とのバランスが損なわれてしまうため、程よく控えめな量感で抑えました。
周囲を取り巻く白砂利は大海。
大海を渡る墨色の橋。
取り壊された建物で使用されていた屋根瓦を並べて埋めています。隙間は那智黒石で覆いました。
晴天よりも曇り空の方が似合うのは、林だから。
中まで日差しが届かないのが林ですもんね。
その③へつづく